第7章 お泊まり
***
みんなで夜ごはんを食べたあと、カラ松くんたちは、銭湯に出かけてしまった。
何せ、8人家族が順番に家のお風呂に入っていたら、とても時間がかかる。だから、家のお風呂は小父さんと小母さんが使い、6人は、毎日近所の銭湯に行くらしい。
流石にわたしが一緒に銭湯に行くわけにはいかないので、家のお風呂を借りた。
松野家のお風呂をつかったのは、2度目だった。
この前、カラ松くんと初めてシたとき、シャワーを浴びさせてもらったから…
ちなみに、あれ以来、カラ松くんは誘ってこない。
次はホテルでしようって言われたけど……でも、普通に考えて、高校生がホテルなんて入れないし。
もしかして、高校を卒業するまでシないつもりなのかな……
それは……ちょっと寂しいな。
「カラ松くん……」
お風呂上がりで火照った顔を、枕にうずめる。
ここは、カラ松くんたちがいつも寝ている寝室の、隣の部屋。
今日は、わたしとカラ松くんだけ、この部屋で眠ることになっている。
もしかしたら、今夜……誘ってくれたりしないかな。
そんなことを悶々と考えていると。
部屋の襖が開き、パジャマ姿のカラ松くんが部屋の中に入ってきた。
カラ松「ただいま、。起きて待っててくれたんだな」
「うん…! もちろん」
カラ松「……っ、のパジャマ姿って、なんか新鮮だな」
「そうだね。カラ松くんも、新鮮な感じする」
カラ松くんは、わたしの隣にすとんと腰をおろすと、わたしの髪の毛にそっと指を絡めた。
カラ松「…シャンプーの香りがする」
「お風呂上がりだからね…」
カラ松「それに、顔も、なんか赤くてエロい……」
「それも、お風呂上がりだから…」
カラ松「キス、してもいいか…?」
「えっ……い、いきなり!?」
カラ松くんは、とろんとした瞳でわたしを見つめた。
恍惚としたその表情に、とくんと胸が高鳴る。
思わず、ごくりと息をのんだ。
「う……うん。いいよ?」