第4章 三日月め!
少し離れて電話をしている惟臣を見ると…あ、眉間にシワを寄せながら話してる。
これは、緊急出動パターンだな。
もう、勇気を出して我が儘言おうとしたに!
惟臣がスマホをしまいながらこちらに戻ってくる。さっきよりも眉間にシワを寄せて。
「呼び出しだ。…いつもすまない。」
「しかたないよ、仕事だもの。子供じゃないし、拗ねたりしないから~。」
「この埋め合わせは必ずする。」
「大丈夫だよー!いってらっしゃーい!!」
少し小走りぎみに先を急ぐ惟臣に出きる精一杯の笑顔で見送る。
姿が見えなくなった所で、ため息。
「…拗ねたりなんてしないよーだ。寂しいなんて思ってないよー…。」
いつも以上に今の仕事は忙しそう。
早く終わらないかなぁ?
ふと、見上げた空にはお月様。
「三日月め!君がその姿になってから私は大変なんだぞー!」