第3章 幼少期
メイはソッと自分の血が付いた右手を山吹に向けた
山吹は叩かれると思い、目をぎゅっと瞑った
『…大丈夫 だから、泣かないで_?』
と、山吹の頬を右手で撫でた
「あ…ぁあ、」
山吹はボロボロと涙が出て
一歩ずつ後ろに下がった
下がったせいでメイの右手が離れた
「あぁ…ああぁぁぁぁあああああ!!!」
山吹は両手を顔を隠すように煽った
いっひっひっひ__
『(あぁ、ダメだった_)』
「ひぇっひっひっひっ!そうじゃ悔やめ女!!」
突然影から頭に大きな目がある老人が出てきた
「自ら愛した男を傷つけた!」
言葉で山吹を追い込ましていく
「出来なかった偽りのこのふりをしてな!!あっひゃっひゃっ」
鯉「お前は!! 乙女なのかい!?!!?」
鯉伴は山吹の方に向かおうと走ろうとした
すると
『……_命拾いしたっていうのに……殺されたいの_?』
と、メイは鯉伴の喉元に刀を突き立て
物凄い殺気を鯉伴に向けた
鯉「……っ(な、んだこれは…意識を持つのに一苦労だッ)」
鯉伴は顔をゆがませ、頬に一汗が流れた
『“動くな“』
すると
鯉「!?」
鯉伴の身体が動かなくなった
メイは鯉伴に目もくれず山吹に目線を戻した
『…羽衣狐』
「そうじゃ 妾は“まちかねた“のじゃ」
山吹は羽衣狐になった
羽衣狐はゆっくりとメイの方を向き、
「メイ、とやらか お主はとても美しい…必ず生き肝を貰うぞ 清女」
と、メイに近付こうとした
だが
「お主、我の獲物に手を出すとは __死にたいのじゃな_」
『っ…斑!』
「ほぉ、…_こやつがいては勝てんのぉ 引くぞ」
「…お姉ちゃん……だれ?」
茂みの方からリクオが現れた
『?!!』
鯉「!!リクオっ!!」
羽衣狐は
「なんじゃ “孫“もいたのか」
羽衣狐はリクオに徐々に近づいてゆく
「決して“子“が成せぬ呪いをかけたはずじゃが?
……そうか__また人と交わったのか……口おしや、どこまでもよめぬ血よ……」
そして
「ぬらりひょんの孫か……
しかし 決して狐の呪いは消えぬ
血は必ず絶えてもらう
にくきぬらりひょんの血_」