第3章 好き
走っていると、目に飛び込んできたのはウエディングドレス。
隣りにあるタキシードは深瀬が着たらかっこいいだろうな・・・
その隣で私はウエディングドレスを着て笑ってたり・・・
「深瀬・・・ふか「さおりちゃん。」」
声がした方へ振り向くと深瀬がいた。
「深瀬・・・」
深瀬は私の方へ走ってくると、
手をつかんで走り出した。
深瀬の握っている部分が熱かった。
海に出た。
だれもいないねなんてつぶやいてみた。
深瀬の背中を見つめる。
泣いていいかな?
ダメだよね?
でも・・・
私は深瀬に抱きついた。
深瀬は私の頭をなでる。
うれしくて、でもかなわない恋に悲しくて・・・
「泣いていいよ。」
深瀬は優し過ぎるんだよ・・・
バカ。