第6章 エースの帰還
「なぁ…旭はまだバレー続けるつもりなんだろ?」
「………」
「嫌いになったんなら…、本気でもうバレーをやりたくないって言うんなら、俺はもう無理に旭を誘わねーよ。だけどさ、もしまだバレーを好きなら、もう一度だけ俺にチャンスをくれ」
うつむく旭に俺は言った。
「今度こそ、俺達全員の力でエースの前の道を切り拓く。俺ら、みんな待ってるからな」
「じゃあ、俺行くわ」と言って、俺は顔を伏せたままの旭を残し、その場をあとにした。これで旭が戻らないなら、今いるメンバーで戦っていくしかない、そう考えながら。