第3章 3vs3
『キャプテンッ!!』
二人が大地のもとに駆け寄ると、同時にクシャクシャになった紙きれを差し出した。
「入部届、受け取ってくださいっ!」
言いながらペコリとお辞儀をする。面食らった大地は目を丸くして、それからニカッと笑った。
「おうっ!」
受け取って、清水に言う。
「…清水、アレもう届いてたよな?」
「うん」
コクリと頷き、清水が体育館脇に寄せてあったダンボールを運んできた。その中身は“烏野高校排球部”の白抜きの文字が印字された、真っ黒なジャージ。
「うほぉおおぉぉぉ!!」
清水に手渡されて、日向が歓声をあげて飛び上がった。キラキラした瞳で、早速腕を通す。その様子を鬱陶しそうに眺めていた月島の肩を叩いて、俺は言う。
「ホレ、月島も着てみるべ!」
「いや、ボクは後でいいです…」
「あぁん?月島コラ、恥ずかしがってんじゃねーぞ、オラ」
「うわっ…」
田中が強引に月島からジャージを奪い、半ば無理矢理腕を通させる。それを横で見ていた山口も、緊張した面持ちでジャージを羽織った。先に着終わった影山は、念入りに袖の長さや肩幅のサイズをチェックしている。
黒いジャージに身を包んだ4人が並ぶと、不思議と頼もしく見えた。
「おぉーっ!!なかなか似合うじゃねーか!」
カカカ、と満足そうに田中が笑った。