第9章 My sweet honey
智は、笑顔で迎えてくれた。
「どうしたの?こんな時間に...」
「差し入れ。
これ置いたら、すぐ帰るよ...」
智は何も言わないのに、
急に、迷惑な顔されることが怖くなって、
俺から、早口でそう言った。
智は、そんな俺のことを見ていたが、
不意にふにゃんと笑って言った。
「せっかく来てくれたのに、
そんなすぐ帰るなんて、言わないでよ」
智は、俺を招き入れ、ドアに鍵をかけた。
...なんだこれ?
初めて、彼女の部屋を訪問した気分...
こんな、緊張しなくたって...
自分で自分が可笑しかった。
「これ飲み物。冷蔵庫に入れといて。
後は、簡単に食べれるもの
適当に買ってきたから」
「...ありがと。
そういえば、夕飯食べてなかった」
智の嬉しそうな顔が、
俺の緊張を解してくれた。
「...迷惑じゃ、なかったかなぁ?」
「えっ?なんでよ。
迷惑なわけ、ないじゃん。
来てくれて、嬉しい。
今日は、こっち泊まってけばいいよ」
そう言いながら、智は俺に抱きついて、
腕を背中に巻き付けた。
俺は、智にそっと触れるだけのキスをして、
「食べようか」と笑った。
彼も、最高の笑顔で、
「そうする」と言った。
......
ヤバい...可愛すぎる。