第9章 My sweet honey
明日は、午後から群馬県でのロケ。
ベッドに入っても、寝付けないでいた。
隣にいるはずの彼がいない...
こんなことは、時々あるのに...
...会いたいな...
智に、会いたい...
そう思ったら、
いてもたってもいられなくなり、
作ってる邪魔をしなければ、
ちょっとだけ、覗きに行っても、
...いいよね。
そうだ!!
どうせ、ろくなもん食べてないから、
差し入れ持っていこう。
それ渡したら、
帰ってくればいいんだし...
俺は、そんな苦し紛れの言い訳をしながら、
出掛ける準備をした。
不思議なほど、
『心躍る』っていうの?
恋人に会いに行くのが、
こんなに楽しいなんて。
久々に、ウキウキしている自分に、
ちょっと笑えた。
自分の運転する車で、
智のマンションに向かう。
途中、コンビニで、
飲み物や、
すぐにつまめるものを買っていった。
マンションのエントランスから、
智の部屋の、チャイムを押す。
暫くして、モニターを見たのだろう。
「翔ちゃん?どうしたの?
今、開けるよ」
エレベーターに乗って、
俺は、ふと、迷惑だったかな?
と心配になっていた。
ドアが開くまで、
俺は、少し緊張していた。