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アイサレテル [R18]

第5章 再会





彼女は棺に横たわるご主人に近づき


ふわりと


持っていた一輪の薔薇を胸の上に添える。





覗き混む横顔。





人々の中からため息が漏れた。






























その後、式は粛々と行われ

弔問客は帰っていった。



僕たちも帰るはずだが


父がリヒトさんと話があるといって


奥の部屋に入って行ったきり出てこない。



いつのまにか一番最後の客になっていた。








それにしても


奥様がすでに亡くなっていたとは…







手紙に暗いことは書きたくなかったと、


フェイ君が涙声で話してくれた。


ルーク君がそっと抱き締める。





両親を亡くした彼らに、


なんて声をかけたらいいのかわからない。


暗い沈黙が続いた。







すると、アルベルトさんがやって来た。





「ピーター様、リヒト様がお呼びです。」





何だろうと居間を離れ、彼に連れられて部屋に向かう。








ガチャリ







アルベルトさんに促されて部屋に入ると


険しい顔の父と、優しい笑顔のリヒトさんがいた。





真ん中に立たされ



二人に、じっと見つめられる。






誰も何も喋らないので、戸惑い立ち尽くす。










そして、父が小さく頷いたと思うと





「失礼します」





後ろから布で鼻と口を塞がれ



僕は気を失った──────






































熱くなる涙腺を感じながら





眠った少年の顔を撫でる。







「きっと彼も、これを望んでいたと思いますよ。」






「………。」








少年を抱えた銀髪の男が、扉へ向かう。











「あなたは親の鑑だ。」











パタン






むなしい音をあげて、戸が閉まる。








クスクスと笑い声だけが、


部屋に響いていた。









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