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アイサレテル [R18]

第2章 期待










月明かりが優しく降り注ぐ、薔薇の庭



生ぬるい風が花達を揺らす






「兄さん」





呼びかけに彼は振り返った。



僕を確認すると向き直り…



また指先で花弁を愛でる。




「なぁに?」




「今日…、書庫でピーター君に何したの?」





出ていくうしろ姿を見た。



口角を少しだけ上げて、



心底はすごく楽しそうな笑みを浮かべて




そして見つけたピーター君は


まるで魂を抜かれたようで







「なにって、…ん─……





ちょっと…お仕置き?」






くすっと笑う。そして






「なんで?」





首をかくんと返して、流し目に僕を見る。





確かに…






兄さんは綺麗だ。









「………っ」






重い玄関を開いて中に入った。






いつもそうだ。



兄さんは、いつも僕から奪っていく。







好きだった幼なじみのニーナも







優しかった庭師のダリスさんも








そして














母さんも












ガチャ バタン ッ ッ








部屋の戸を、思いきり閉めた。




夜だからって、かまうもんか。





そして乱暴に、ベッドに腰かける。


















僕を……











…見て欲しいのに


















「……フェイ?」





ルークが心配して入ってきた。

横に腰を落とし、どうした?と僕の頭をくしゃりと撫でる。



「…………」




とられたくない。





今度は、とられたくない……







じっと覗きこんでいだルークが、




僕の目尻の雫を吸った。









そして頬























下の方へと……唇を落とす。
























「……ルーク」






「……僕のことすき?」










くちゅりと、粘膜を鳴らして僕を見上げる



















「好きだよ」


















「……ぅん。」







優しく、ぐいと頭を下げ押した。





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