第1章 新しい生活
教室に近づくと、中からガヤガヤとした話し声が聞こえた。
これから皆の前に出て自己紹介をするのかと思うと、一気に緊張が増した。
「はい、皆さん注目‼︎ 今日は転校生を紹介します。…さ、渡瀬さん入って。」
教室内に入ると、一気に私に視線が集まる。
「え…と、渡瀬莉那といいます。よろしくお願いします。」
私は無難な挨拶をして、軽く頭を下げた。
「渡瀬さんの席は、窓側から2列目。隣の席の木藤さんはクラス委員長だから、何かわからないことがあったら聞くといいわ。」
青山先生はそう言って、私を席へと促した。