第3章 謎の少女
ザッ…
ルーリナは足を引いた。
だが、その顔から余裕の色は消えていない。
「さぁ、いつでもいいわよ」
「バカにすんなよ!!」
サボが飛びかかってくる。
確かにここにいる子供達よりも強いと思った。
だが、ルーリナは引くわけもなく…
ドスッ
「う゛…ッ」
サボの攻撃を華麗にかわし、鳩尾に拳を入れた。
サボは地面に突っ伏してしまう。
「あらあら、その程度?あなたの基準の強さってそれだけ?」
「くっ…まだだァ!!」
何度やっても同じだった。
サボが仕掛けて、返される。
その連鎖だった。
「…ハァハァ」
「大口を叩いたわりには、大したことないわね」
ルーリナは疲れ切ったサボを放置して、建物の中へ消えていった。
――――間違った道を選んではならない…
――――必ず見分けるのよ、光に化けた闇を
――――光の影に隠れた闇を
――――もう、私と同じ間違いをしないで…
――――その時は必ずやってくる
――――出会いも、別れも必ずね
――――二度と逢えないことだって…あるわ
――――私は乗り越えられなかった…
――――でも、貴女ならできると思う
――――強き光を胸に抱いて、さぁ、舞いなさい
――――貴女は強い
――――越えて行け、全ての絶望も…