第1章 天才。
あたしは身支度を済ませて部屋を出た。いつもならそろそろ朝ごはんの時間。
「おじさん、おばさん。おはようございます」
「おはよう。さっき徹と話したんだろう?」
「はい。忙しそうですよね、徹さん」
「朝練があるからね。ほんとにあの子は部活かデートかのどっちかばっかりで…」
おばさんは頭を押さえながら苦笑いしていた。
デートってことは徹さんには彼女がいるってことなのかな?それなりにかっこよかったし、いてもおかしくないよね。うん。
そういえば部活って何部なんだろう。
"VBC"
さっきからずっと引っかかっている。
「あの、徹さんって何部なんですか?」
この質問の返答を聞いた時、あたしは新底後悔した。
「バレー部だよ」