第1章 天才。
「なんか久々に思い出しちゃったな…。せっかく今日入学式なのに…」
はぁ、とため息をついてあたしは身支度を始めた。
引っ越してきてまだ1週間。人様のお家はなかなか慣れない。
そういえばここの家の人、違う高校の3年生って言ってたっけ?なんかいっつもいないからまともに話したことないなぁ〜。
『コンコン』
あたしの部屋をノックする音が聞こえた。
「どうぞ〜?」
そう言うとすぐにドアが開いて、白いジャージを身にまとった高身長のチャラそうな男の人が入ってきた。
「朝からごめんね〜☆まだ挨拶してなかったよね?俺は徹って言うんだ!よろしくね、まやちゃん!」
入ってくるなりそう言って部屋を出て行った。
出て行く時に見えた背中の文字。『AOBAJOHSAI VBC』
「あおばじょーさい…ぶいびーしー…?」
まぁ深く考えないでおこっと。そのうち…分かるよね?