第1章 色男誘惑上手
程なくしてリムジンは止まった。
着いた場所は立派なホテルでエレベーターに乗り込むと彼は最上階のボタンを押しまたも沈黙が流れた。
彼が視線を向ける度にトクンと心拍数が上がりそんな私をよそに平然とした様子でボタンの点灯を目で追っていた。
彼は全然わたしに触れようとしてこない。
触れてほしいなどと不純な気持ちで彼を見つめた。
優しくされていいところがあるともっともな言葉と甘いルックスに誘われて彼の後ろを着いて行くなんてわたしも尻軽になったものだ。
エレベーターが到着の合図を奏で降りた場所はスイートルームだろうか、TVの中でしかみたことのないような部屋で、全面窓の向こうには宝石箱からたくさんの宝石がこぼれ落ちたような夜景が広がっていた。
「気に入ってもらえたかな?」
「ええ、とっても!でも正直戸惑ってる」
「こんな経験はじめてだし、こんなスイートルームをさらっと案内できるあなたって何者?」
彼は少し眉を上げて真っ白な歯を見せて笑うとじゃあ、これでも飲みながらお互いのことを話そうとシャンパンを片手に彼の歯とそっくりな真っ白のソファに座るよう手の平で促された。
彼はシャンパンの栓を慣れた手つきで開けシャンパンを注ぎ私にくれた。
「ありがとう」
「それじゃあ、ふたりの出会いに」
「「乾杯」」
きゃあ!ふたりの出会いにだって!
心の中の私は飛び跳ねている。
「これ、すごく美味しい」
「本当に?高城に頼んでおいてよかったよ」
「俺はお酒に詳しいわけじゃないから」
「そうなの?あなたみたいにリッチな人ってお酒に詳しそうだけど」
「まあ、確かに周りは多いかも」
「でも、なんかちょっと親近感が湧いた」
「それはよかった・・・」
「でも高城が選んでくれたものだからいいシャンパンなのは間違いないよ」
「うそ!どうしよ!貴重な1杯もう飲んじゃった!」
「まだまだあるから、思う存分飲んで」
「そんな、でも悪いよ」
「俺がそんなケチに見える?」
「そうだよね、じゃあいただきます」
彼はどうぞどうぞとシャンパンを注いでくれて私ももっともっととどんどん飲んでいつのまにかほろよいから開放感マックスになっていた。
ふわふわして、気持ちいい。