第20章 猫王子とウィンターカップ
「真太郎、そのハサミ借りてもいいかな」
「?何に使うのだよ」
「髪がちょっとうっとうしくてね、ちょうど少し切りたいと思ってたんだ」
だけど赤司は髪を切る前に、火神君に向かってハサミを振りかざした。火神君は何とか避けたけど、当たってたら本当に危なかった。
「火神君!」
『おい赤司、冗談でもやっていい事と悪い事の区別くらいつくだろ』
「…は黙っていろ」
『黙っていられねーから言ってんだよ。謝れ』
赤司は自分の髪をジョキジョキと切り始めた。地面は赤司の髪の色で真っ赤に染まる。
「…全てに勝つ僕は全て正しい。僕に逆らう奴は親でも殺す。は別だけど、その男は僕に逆らったんだ。そろそろ行くよ、」
「ふざけんなよ赤司、それだけのためにわざわざ呼んだのか?」
「全員あの時の誓いを忘れてないようだからな。ならばいい、次は戦う時に会おう。」
『だからあたしは行かないっつってんだろ。行きたきゃ勝手に行け、バカ赤司。あと、その前髪似合ってねーから』
赤司は明らかにシュンとしたように帰って行った。しまった、似合ってないは言い過ぎたか。
「くくっ、相変わらずおもしれーな、は」
『別に。ムカついたから言っただけだよ。火神君、大丈夫?』
火神「あ、あぁ…」
『バカ赤司にはきつく言っておくからさ、今回は目を瞑ってくれないかな』
「…それは彼女としてのお願いですか?」
「っ!彼女ぉぉぉ!?ちょ、っち!赤司っちとついに付き合ったんスか!?」
「えー、やっとぉ?だから赤ちん、ちょっと機嫌良かったんだね~」
『あれのどこが機嫌いいわけ?』
「ま、良かったんじゃねーの?お前みたいなバカの相手できるのは赤司しかいねーからな」
『その台詞そっくりそのまま桃ちゃんに渡すよ、アホ峰』
「あれ?どうしたんスか?緑間っち」
黄瀬涼太の言葉に、全員の視線が緑の髪の人に集まる。…ん?あれ?緑って…
『あ、君が噂のおは朝信者でラッキーアイテム男君?』
「どんな噂なのだよ!発信源はどこだ」
『赤司』
「…赤司ぃぃぃぃぃ!!!!」」
どうやら彼は、緑間真太郎と言うらしい。