第20章 猫王子とウィンターカップ
体育館に着くと、階段の所に何やらカラフルな集団を見つけた。
『げっ』
「あ?んだよ、じゃねーか!」
「え?っち!?」
「お久しぶりです、さん」
「あー、ちんだー」
キセキの世代でした。
『オッスー、皆ひさしぶりー。ってありゃ、桃ちゃんがいない』
「さつきなら中にいるぜ。つーか何でこんなとこにいるんだよ」
『東京に帰って来てるんだよ。ま、里帰りだ。どうせまだバレーも出来ないし、療養もかねてね』
「えっ!?っち怪我でもしたんスか!?」
『相変わらずうるさいなぁ、黄瀬涼太。黙れ』
「久しぶりに会ったのにこの仕打ち!酷い!」
「赤司君に誘われたんですか?」
『まーね。で、その赤司は?え、何?これって中学の集まりだよな?ぷぷっ、何あいつ、ハブられてんの?だっせぇnヒッ!!!』
悪寒が走ったと思えば、心臓がドキドキ鳴る。いや、このドキドキは乙女独特のモノではなく、危険信号を意味するドキドキだ。
「誰がダサいって?」
『あ、あはははー…』
赤司様でした。
「遅いぞ、」
『遅れるってメールしたんですけど』
「ダメだと送ったが?」
『無茶言うな!走ってたら間に合ったけど、走れないんだよアホ!』
「おい赤司、用があるなら早くするのだよ。俺達も暇ではないのだからな」
…のだよ?
「すまない、待たせたね」
赤司は再開を喜んでいるように見えた。いくら会ってるからって、全員で揃うのは卒業式以来だと言っていた。まぁ、バスケで会うとなると別か。
すると誠凛の…誰だっけ。あ、思い出した火神君。火神君が来た。