第15章 猫王子と修学旅行
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…あたし、今何してるんだっけ。ていうか、どこにいるんだっけ。ダメだ、頭がボーっとして何も考えられない。ていうか、何も考えたくない。
…あれ?本当にここ、どこ?見渡せば全体が白い光で包まれている。もちろん人はあたししかいない。出口さえも見つからない。
?「こっちに来るかい?」
『…誰?』
?「そうだな…君たちが神と拝める存在、とでも言っておこう」
『は!?神様!?すっげー!!あたし神様と今話してるぅぅぅ!!!すっげー!!!!って…神、様…?』
?「はははっ。相変わらず賑やかな奴だな」
『ちょっと待ってよ…神様?え、何?じゃああたし…死んじゃったわけ…?』
は、ははは…何それ、聞いてないよ。あたしが、死んだ?
あぁ、思い出した。真田麗華と話をして、黒い集団と戦って負けて、どこかに投げ飛ばされたんだった。あはっ、こりゃ死んでもおかしくないなぁ。ははっ、享年15歳、か。まだやりたい事いっぱいあったのになぁ。
?「死んでなどいないよ、」
『…お世辞はいいよ、神様。神様があたしの目の前にいるって事は、結果的にそうじゃん。下手な慰めなんていらない』
?「はそれで君自身の人生に諦めを付けられるのかい?」
『…つけられるわけないじゃん。目が覚めたら神様がいて、あなたは死にました!?ふざけんじゃねーよ!!そんなんで誰が納得いくか!』
?「ならなぜ抗わない」
『抗って意味があんのかよ!!』
?「ある」
『やっぱりな!だからあたしは…って、え?あんの!?意味あんの!?』
?「この僕がそう言ってるんだ」
『…何だか神様、赤司に似てるな』
そう言うと神様は少しムッとしたように見えた。まぁ実際には神様の姿は見えてないから、そう感じただけなんだけど。