第15章 猫王子と修学旅行
麗華side
どうして、どうして赤司君は私を見てくれないの…幼いころに親に認めてもらえばいいと思っていた。だけど、赤司君を見てから変わった。赤司君に認めてほしかった。それなのに…
女子「月島さん」
麗華「…何よ」
女子「何で…何でにここまでする必要があったん?自信が月島さんに何したん?もうやめてや…」
女子「今赤司君らが捜してる間にも、は凍えてるんやで!?はよ居場所教えてぇな…」
男子「月島、ほんま頼む…せやないと俺、お前の事殴ってしまいそうや…」
…あぁ、どいつもこいつも、って…私の事を何も分からないバカばかり。
麗華「じゃあ殴れば?あなた達のようなバカに殴られても私は痛くもかゆくもn」
左頬に鋭い痛みが走った。それが殴られたことによる痛みだと分かったのは、目の前に立つ女を見た後だった。確かあの女と同じ、女子バレー部員。バレー部の中で一番仲が良かった気がする。名前は、飯塚はゆる。
はゆる「ほんなら殴らせてもらうわ」
女子「はゆる、アンタ…」
はゆる「と赤司君がアンタを殴らへんかったのは知ってる。はああいう性格やし、赤司君はが我慢しとるのに、って思ったんやろ。せやけど私は違う。私は私個人として、を酷い目に合わせたアンタがムカつくんや。せやから殴った」
麗華「あなた…私にこんな事してタダで済むと思わない事ね…」
はゆる「思てへんよ。アンタ大層なお金持ちみたいやしね。せやけど私はそれ以上に、私の大事な仲間に酷い事をしたアンタが許せへん。黙って見捨てれるほど、は軽い仲間やない」
この女もあの眼をするんだ。奈央ちゃんや赤司君、それにあの女と同じ、眼を。それが気に入らなくて飯塚はゆるを睨むと、いつの間にか周りの人達から同じ眼を向けられていた。
女子「私やってそうや。は大事な友達や。絶対アンタを許さへん」
男子「俺やって許さへん。いくら金持ちでも大事な友達をあんな目に合わせといてただで済むと思うなや」
どうして…どうして誰も、私を見てくれないの…