第15章 猫王子と修学旅行
「貴様のつまらない話など興味がない。それで、をどこへやった」
麗華「そんなの、私が教えるとでも?」
「思わないな。だから実力行使、させてもらうよ」
僕は持っていたハサミを取り出すと、月島の顔の横に突き立てた。その時肌を掠めたのか、月島の頬からは血が流れた。
まさか本当にあてるとは思っていなかったのか、さすがに今は恐怖の色が見えた。
麗華「ヒッ…」
「言っておくが、"僕の"の時はまだしも、"俺"は気が短くてね。まどろっこしい事は虫唾が走るほど嫌いなんだ」
麗華「…」
「…あと3秒だけ待つ。その前に1つ良い事を教えてやろう。僕の言う事は絶対だ、逆らう奴は親でも殺す。…3、2…」
麗華「そ、外!」
「…の、どこだい?」
麗華「…星がよく見える所。これ以上は言わない。私にも、ここまでの事をしたプライドがある」
「…半分、だ。にこんな事をしてタダですむと思うな。川崎、着いて来られるかい?」
川崎「う、うん!」
「それでこその親友だ。それと…田中、真田。少しでも人手が欲しい。手伝ってくれるか」
田中「お、おう!もちろんや!」
真田「俺達は赤司班以前に友達や!もちろん協力するで!」
男子生徒「「「俺達も!!」」」
女子生徒「「「私も!!!」」」
「気持ちはありがたいが、人数を割くのはあまり効果的ではない。迷子者が更に出ては困る。だが…絶対にを連れて帰る。俺達を信じてほしい。だからが帰った時に、笑顔で迎えてくれ」
皆は頷いてくれた。それに頷き返すと、僕達は懐中電灯の明りを頼りにを探しに出掛けた。