第15章 猫王子と修学旅行
川崎「…あ、赤司君…?」
「川崎、の携帯は」
川崎「それが…部屋に置きっぱなしやったんや」
「がいなくなったのは」
川崎「えっと…ウチが赤司君のトコに行った時に見たのが最後や。これ、の携帯。見たらアカンと思たんやけど事情が事情やし…そしたら」
川崎が手にしているのは紛れもなくのスマートフォンだった。メールボックスを確認すると、僕達からの誘いのメールの他に、他クラスの男からのメールが受信されていた。
「この男は誰だ」
川崎「多分、に告白した子だと思う。今先生が呼んできてくれてるんやけど…あ、あの子や」
頭を垂れて教師と一緒にやって来る男の前に行くと、僕はその男の頬を殴った。騒ぎを聞きつけていつのまにか周りにはたくさんの人達がいた。そこから悲鳴が聞こえるが、僕にはどうでもよかった。
「オイ、をどこにやった」
男子生徒「知らへん!俺は知らへん!!!」
「どこにやったと聞いてるんだ!!!!」
男子生徒「ヒッ!!!ホンマに知らへんのや!確かに俺はに告白した!けど断られた!それからはもう知らへん!ホンマや、信じてくれ!!」
男子生徒「あ、赤司君…そいつの言ってる事はホンマや。俺、そいつが告白してるとこ見てたんや。フラれた後、真っ直ぐに俺のとこに帰ってきたで」
「…それからはどこへ行った」
男子生徒「ホンマに知らへん!」
川崎「ちょ、赤司君落ち付いてぇな!!」
「これが落ち着かずにいられるか!!!!」
落ち着いてなんかいられない。がいなくなった。あの時感じた悪寒はきっとこれが原因だ。
あの時僕が勘違いだと片付けていなければ、あの時僕が最初から探していれば
こうなる事はなかったかもしれないのに。