第4章 猫王子と球技大会
赤司side
『それならさ、あたしがバレー教えようか?』
「…は?」
『いや、だって優勝したいし?いつも赤司には数学教えてもらってるし、何よりバレー好きになってほしいし』
「だが…」
『あ、ついでにバスケ教えてよ!何だっけ、キセキの何とかの主将だったんでしょ?てか今も主将らしいじゃん。1年のくせに生意気な…あ、腹立ってきた。というわけでバレーに付き合えコノヤロー』
たった1か月と少しの学園生活で分かった事。は優しくて周りをよく見ている。そして人の気持ちというものが良く見えている。
「…あぁ」
は本当にバレーが好きだという事が伝わるくらいに真剣に教えてくれた。いつものようなおちゃらけた表情は垣間見えず、常に真剣だった。それに見合うように、僕も真剣にバスケを教えた。
あっという間に昼休みは終わり、ぞろぞろと教室に戻る中僕とは最後尾を歩いていた。
『あっちー!!!汗かいちゃったよ…』
「、次の授業疲れたとかいう理由で寝るなよ」
『ゲッ、バレてる…大丈夫大丈夫。後で赤司にノート見せてもらうから』
「はぁ…なんでお前はそう人頼みなんだ」
『…王子、そういつもいつも溜息ついてると本当に幸せにげるよ?』
「…誰のせいだと思っている」
『えっ!?』
「はぁ…本気でびっくりするな。僕の方がびっくりだ」
そうこうしていると教室に着いた。途端に鞄の中をごそごそと漁る姿は本当に犬みたいだった。
『ゲッ!!!!シー●リーズ部室に忘れたぁぁぁ!まじでか、まじでか!あと2分で授業始まるじゃん!ちょ、田中っち持ってない!?』
田中「持ってへんよ。別に後ろやから気にならへんやろ?」
『気にするわ!あたし女の子だけど!?』
全員「えっ!?」
『本気でびっくりするなぁぁぁ!あたしが一番びっくりしたけど!ってこのやり取りさっき王子としたばっかりなんだけど!!!てかハモるなぁぁぁぁぁ!』
その叫ぶ元気を授業に回せば寝なくてすむのに。という事を考えて僕は鞄からシーブ●ーズを取り出した。