第15章 猫王子と修学旅行
赤司side
ゾクリ。
…なんだ、今の寒気は。桃井ほどではないが、勘は昔から鋭い方だった。だから感じてしまったかもしれない、悪い予感。
田中「?赤司?どしたん!?」
男子生徒「何やー?って…赤司!?顔真っ青やで!?」
男子生徒「気分でも悪いんか!?」
「いや、大丈夫だ。少し寒気がしてね」
真田「今日やっぱり海に入ったのが間違いやったんやないか?少し冷たかったしなぁ」
男子生徒「赤司達、海入ったん!?アホやなぁ!ま、が言い出したんは目に見えとるけどな!」
田中「ご名答や!!」
盛り上がる奴らとは逆に、僕の心はどんどん冷えていった。とりあえず、にメールしてみよう。本文は、"今どこにいる?"
メールを送ってから約1時間。何の返信も無い。いつもすぐに返信が来ていたわけではないから、寝る前には来るだろうと思っていた。時刻はもうすぐ消灯時間の23時を指す。
奈央「お邪魔ー。来てへん?」
田中「ー?来てへんで。むしろ俺らが待っとったくらいや。メールしても電話しても出ぇへんし」
奈央「可笑しいなぁ。もうすぐ消灯時間やねんけど…」
男子生徒「他の女子の部屋に行ってるんちゃうん?バレー部のとことか」
奈央「全部探したんやけどなぁ。ま、探してから結構経ってるし、部屋に戻っとるかもしれへんな。お騒がせしましたー」
真田「おう!今日は夜更かしせぇへんでなー」
奈央「はいよー」
川崎は部屋に戻って行った。川崎が戻った後でも、の話題で持ちきりだった。落ち着きがないのはいつもの事、きっとお菓子でも食べながら川崎の帰りを待っているんだ、と。
僕もそう思っていた。いや、そう思いたかった。