第15章 猫王子と修学旅行
男子生徒「…俺、お前の事が好きや。付き合ってほしい」
『あー…うん、ごめん。君とは付き合えない』
男子生徒「やっぱり…赤司と付き合うてるんか?」
『赤司とは付き合ってない。ただ、君の事は友達だと思ってるから付き合えない』
男子生徒「それって、赤司は友達やない言うんか?赤司の事、好きなんか?」
『それは分からないし君に言う義理もない。まだ親友にだって話してないんだもん。だから、ごめん』
男子生徒「…ほうか、分かった。聞いてくれてありがとうな。それじゃぁ」
…はぁ。もう溜息しか出て来ない。赤司もさっきの子も、あたしなんかのどこがいいんだろうか。
『って、だからくよくよしてても仕方ないだろバカ!なんたって今は修学旅行なんだから!!!はっはっは!』
麗華「ちゃん」
『はっはっは…は?麗華ちゃん?』
麗華「うん。少し、話せへん?靴の事とか謝りたくて」
『へ!?あ、うん…』
麗華「良かった!!せやけど、ここじゃ皆に聞かれて恥ずかしいって言うか…ちょっと場所変えてもええかな?」
『あぁ、うん…いいけど』
麗華ちゃんは黙って先導してくれる。あ、奈央から気を付けろって言われてたけど…まぁ謝るっていうくらいだからいっか。
そのまま無言で暫く歩く。どこまで行くんだろう。いつの間にかホテルを抜け出し、近くのジャングルのようなとこまで来ていた。
『あー、麗華ちゃん?どこまで行くつもり?さすがに夜は寒いんだけど』
麗華「せやね。この辺でええよ」
『この辺って言っても…ここ、人が来るようなとこじゃないよね』
麗華「…せやね。ふふふっ」
この子、やばい。直感的にそう思った。
麗華「ねぇ、ちゃん。私が赤司君の事好きって言ったの、まだ覚えてる?」
『…うん』
麗華「ふふっ…そう。なら良かった。これで忘れてたら私、あなたを今ここで殺してたわ」
『ちょ、麗華ちゃん?なんで標準語を…』
麗華「だって私、東京生まれだもの。5歳まで東京で育ったわ。奈央ちゃんに会ったのはそれからよ」
あたしは逃げようと思ったが、背後に人の気配を感じた。ざっと15人はいるだろうか。