第15章 猫王子と修学旅行
「別に月島にの良さを理解してほしいとは思わないよ。だが、貶される理由もない」
月島「せやけど納得いかへんもん!絶対私のほうが可愛いし、女子力も高い。頭だってええし、家柄やって…」
「そういう所だよ」
月島「…え?」
「僕が月島を好きになる事がないのは、月島のそういう所が嫌いだからだ。まるで、昔の僕を見ているみたいで嫌なんだ」
月島は僕と似ている。に出会うまでの僕に。
「僕は昔、絶対は僕だと思っていた。いや、今でも思っているのかもしれないね。けど、に会って考えが変わった。今まで僕が誰からも異見されなかったから、新鮮に感じただけかもしれないけどね」
月島「せやったら…」
「それでもが変えてくれた。仲間との助け合い、純粋な気持ち、友人の大切さ、そして人を愛するというこの感情…全部が教えてくれた」
月島「…赤司君はバスケがあればええ、って前言ってたやんか」
「そのバスケへの想いも、に教えられたよ。いつからか僕は、勝利する事だけが目的となっていた。もちろん今でも勝利する事は絶対だ。だけど、そこに楽しいという感情が現れた。のバレーに取り組む姿勢を見てからだよ」
月島「…」
「それにきっかけはどうであれ、今はの隣にいたい。ただそれだけだ」
月島は悔しそうに握りこぶしを作る。さぁ、どう出るか。
『あーかしーーーー!れいかちゃーーーん!!!2人もこっちきなよーーーーー!』
「今行く」
もちろんを傷付けるような事をすれば、今度こそ許さないけどね。