第15章 猫王子と修学旅行
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ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってぇぇぇ!!!何今の、どうしたんだよあたしぃぃぃ!!!
赤司の顔が真っ直ぐ見れなかった。それよりも、顔が熱い。心臓が煩い。胸が痛い。
『まさか、ね』
奈央「何がまさかなん?」
『ぶっ!奈央!?』
奈央「ん?人の顔みて吹きだすとか、アンタも偉くなったもんやなぁ。ん?」
『ほへんはひゃい(ごめんなさい)』
奈央に全力で頬を横に引っ張られた。いや、これってかなり痛いんです。
奈央「ほんで、どうしたん?」
『いやぁ、実はね…』
あたしは言葉を続けるのをやめた。多分、今のまま話しても何も得られないと思う。だから、今回は自分の中で解決するまであたし自信で考えてみようと思った。
『…やっぱ何でもない』
奈央「はぁ?アンタ、ウチに言えへんような事…」
『違うよ。奈央には必ず伝えるから。だけど、あたしの中で答えが出るまで待ってほしい』
奈央「…何やそれ。のくせに生意気や」
『えぇ!?』
奈央「ほんま生意気!せやけど、待ってるで」
あたしは嬉しくなって奈央に抱き着いた。…全力で拒否されたけど。割とガチで。泣きたい。
奈央と一緒に皆の元に戻ると、明らかに赤司の様子がおかしかった。多分、あたしのさっきの態度が原因なんだと思う。
『ぼさっとしてんなよ赤司ー。置いてくぞー?』
「っ…?」
『んー?』
「…いや、何でもない。今行くよ」
まだ分からないのに赤司とギクシャクしたくないと思うのは、あたしの我が儘なんだろうか。