第15章 猫王子と修学旅行
赤司side
『あのーすいません。シャッター押してもらって良いですか』
客「いいですよー」
『やったー!あ、アップでお願いします!』
客「くすくすっ!いいですよー」
『何笑ってるんですかーもう。あ、あたしの顔に何か付いてます?』
客「付いてないよー!ただ、凄く良い子だなぁって思って。私の高校生活はアナタみたいにはっきり物事を言わなかったから」
『えぇー?そうですかー?それって褒めてます?ねぇ赤司!あたし褒められた!』
「…良かったな」
客「くすくすっ。いい子だね、彼女。大切にしてあげてね」
『やだなーもう、彼女じゃないですよー。あ、ほらほら!クリオネちゃんが上に昇ってきました!早く早くっ!』
何となく即答で否定されたのが悔しかったから、シャッターの瞬間の頬に、口づけをした。
『っ!?』
客「あら、若いっていいわねぇ!私もそんな青春してみたかったわ」
「あなたもまだお若いからこれからですよ。写真、ありがとうございました」
写真を撮ってくれた若い女性にお礼を言うと、の方を向きなおした。
「この写真、あとで現像して僕にもくれないか」
『…うん』
「…悪かったよ、いきなりあんな事して」
『…うん』
怒ってない、のか?いや、それよりも心ここに非ずといった表現が正しいだろう。それくらいは放心状態だった。
「…?」
『っ!!!』
少し顔を覗きこむようにして名前を呼ぶと、途端に顔を赤くして仰け反った。…え?
『なななな何!?あっつ!ここ暑い!!!ちょっと咽渇いたから自販機で飲み物買ってくる!!いだっ』
目を泳がせながら歩いたため、つまずいたようだ。というか、ちょっと待ってくれ。
「ーーーーーーーっ///」
何だあの反応。何だあの真っ赤な顔。あんなを見たのは初めてだ。いや、今はそこはどうでもいい。
可愛すぎるだろう。