第15章 猫王子と修学旅行

赤司side


『黒ちん？』

「うん。黒ちんだけじゃなくて、峰ちんも黄瀬ちんも言ってたよ～」

「敦」

「何ー？赤ちん」

「それ以上その事は言うな」

「えー？何でー？」


…当たり前だろう！本人がいる前だぞ！！大方テツヤ達が面白がって敦に話したに違いない。いや、主犯は大輝と涼太か。


『え、何。あたしの知らないとこで噂になってんの？何が？』

「だからー、赤ちんがちんのこｔ」

「敦」


威圧を込めて言えば、敦はすんなり黙った。僕に逆らえない事は嫌でも知ってるからな。


「そんなに怒んないでよ、赤ちん」

「なら口を慎め」

『こわっ！赤司こわーい！紫原君泣いちゃうよー。って…紫原君って長い。言いにくい。何かあだ名とか無いわけ？のっぽ君とかどうよ』

「絶対ヤダ。そんな変なあだ名付けたらいくら赤ちんのお気に入りでもヒネリつぶす」

『ヒッ！！！ヤダ何この子！！！ゆるいと思わせておいてめっちゃ怖いじゃん！！！鳥肌！鳥肌立った！！！』

「もう、ちん本当にうるさい。あ、そう言えばあだ名あったかも」

『え！？何なに！？』

「むっくん。中学生のころさっちんにそう呼ばれてた。ね、赤ちん」

『さっちんがどなたか存じ上げませんが、僭越ながらあたしもその呼び名を採用させていただきたいと思います！どうでしょう！？』

「いいんじゃない～」


それからと言うもの、もともと頭のネジが緩んでいる者同士意思疎通も早かったらしく、すっかり仲良くなっていた。今では一緒にお菓子を試食しているまでだ。