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猫王子と犬平民

第12章 猫王子と体育祭


赤司side


負ける事はあり得ない。この僕が。

だけど目の前を走る陸上部員との距離は縮まることなく、半分を切った。その時


『赤司ぃぃぃぃぃぃ!!負けたら猫耳だかんなぁぁぁ!!!』

「!」


どこからともなく聞こえた声を元にたどると、やはりがいた。

今、僕の事を応援してくれたのか?フッ…それなら頑張るしかないだろう。今以上に、もっと。

そして、僕は走る事に集中しゴール付近で陸上部員を、抜いた。


『あっかしぃぃぃ!!!!』

「ぅゎっ」

『凄い!凄いよ赤司!やばい今の赤司、王子というより勇者だよ!まじかっこいい!!』


かっこいい、か。初めて言われた。他の女子からはカッコいいとはよく言われていたが、やはりから言われると嬉しい反面、照れる。


『でも小っちゃく"ぅゎっ"って言ったのまじ可愛かった!ちょ、もっかい言って!!!』

「…嫌だ」


勢いよく抱き着かれた反動で、思わず驚いてしまった時に声が出てしまった。それを聞かれていたとは…


「」

『ん?』

「…ありがとう」

『…は?』

「が叫んでくれたおかげだよ。ありがとう」

『…赤司…』

「…何」

『…もっかい言って』

「…嫌だ」

『もっかい言ってーーー!!!』


最近こういうパターン、多いな。おねだりするは可愛いが。
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