第12章 猫王子と体育祭
赤司side
が川崎に伝えた事は嘘偽りない話だった。
奈央「…なるほどなぁ。それにしてもアンタ、度胸あるなぁ。赤司君相手に惚れさせてみろやなんて。赤司君もとんでもないアホに惚れたもんやね」
「それには激しく同意するよ。僕にも不思議なくらいだからね」
『どういう事だコラ。だったら諦めろ』
「そういう訳にはわかないよ。僕は本気でを手に入れたいんだ」
『ヒィッ!!よくそういう痒い言葉を普通に言えるよな!!!見ろこの蕁麻疹!どうしてくれんだよ!!』
奈央「アンタはもう少しありがたみを持ちぃや!」
川崎も完全に僕派だと思ったのだろう、は僕をキッと睨んできた。そんな顔も可愛い。
『奈央まで味方に付けるとは…卑怯だぞ王子!正々堂々と戦いやがれ!』
「戦ってるのは僕だけじゃないか。はそれをかわして逃げてるだけだ。それに川崎を始め誰も味方に付けた覚えはないよ」
『そーですかっ!つーか何で今日は一緒に食べてんの?1人じゃ寂しくなったとか?だから友達作れって言ったじゃん』
「…好きな奴と一緒にご飯を食べたいからに決まっているだろう」
『そうなの?決まってるの?わかんねぇー。ま、いいけどさ。その卵焼きくれよ寄越せよ』
「…」
確かにはこういう奴だ。こういう奴だが…好きだと伝えれば何か変わるかと思っていたが…
奈央「…頑張りや、赤司君」
「…あぁ」
『??もぐもぐ…何の話ー?』
を好きにさせるのは、僕が想像していたよりも凄く大変な事かもしれないと改めて思ったのは、告白してから3日後というスピードだった。