第12章 猫王子と体育祭
話を聞くと、どうやら祭りの一部を田中が見ていたらしい。その見たシーンがちょうど赤司が助けに来てくれた帰り道、つまり手を繋いでいたトコらしく、それを勘違いされた。
『…と、いう訳で。あたしは赤司と付き合ってねーよ』
女子生徒「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?何それ!つまらへん!」
『何でお前らのために面白くしないといけないんだよ!!ちょ、黙ってないで赤司も何か言えよ』
「そうだね…残念がる事はないよ。必ずを僕の彼女にしてみせるから」
女子生徒「「「きゃーーーっ!!!」」」
『てめっ、ふざけんじゃねぇぞ赤司ぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!煽ってどうすんだよ!つーかあたしの問題だろうがぁぁ!』
男子生徒「照れへん照れへん!」
『うるせぇよ外野!!もうやだ…頭痛くなってきた…』
「大丈夫か、」
『半分以上アンタのせいだけどな!!』
やばい、本気で頭痛くなってきた…
男子生徒「俺らは応援しとるで、赤司!の暴走を止めるのは赤司しかおれへんからな!」
「ありがとう」
『何で応援ムードなんだよ』
女子生徒「!赤司君の気持ちにはよ応えなあかんで!」
『…何であたしが悪者なんだよ…』
居心地が良かったこの教室も、何だか居辛くなってしまったかも…
何故か先生にも応援されたり、休み時間の度に他のクラスの友達からも応援されたり、赤司はやめとけと言われたり…
つーか何で皆知ってんだよ。田中か。田中なのか。あいつ更に後光増してたけど(更に短い坊主になっていた)、やっぱ田中は田中だな。
そして待ちに待った昼休み。奈央に愚痴ろう、うん。さっき便乗してたけど、話せば分かってくれる。…はず!
『奈央~!ご飯食べよう!』
奈央「はいはい。たっぷりと聞かせてもらうで?」
『もちろんですよ奈央しゃん!正しい話を聞かせて差し上げよう!!!』
「それは僕も聞きたいな。一緒に、いいかい?」
カシャン。何の音だろうと思ったのは一瞬の事で、それがあたしの弁当箱だと分かるまでに1秒、あたしの手元に弁当箱が無かったことに気付いたのはそれから1秒後だった。