第10章 猫王子と解決
『…麗華ちゃん、赤司の事好きだったんだね』
麗華「聞いてどうするん!?私に譲ってくれるんか!?」
「僕は」
『赤司は黙ってて。…麗華ちゃん、別にあたしは赤司を独り占めしてないよ』
麗華「何なん!?何でそんな上から目線やの!?赤司君は自分のモノって思ってるから言える事やろ!?」
『赤司はモノじゃねぇよ!!!!!』
麗華「ビクッ!」
『麗華ちゃんにとって赤司は何だよ!好きなんじゃねぇのかよ!!奈央の事だって、友達じゃねぇのかよ!!!!』
麗華「せやから奈央ちゃんの事は友達やと思てへん!」
『…それ、本気で言ってんのか?』
麗華「せや!奈央ちゃんだって私の事、そう思てるに違いないんや!」
『ふざけんなよ!!!あたしは奈央と麗華ちゃんの昔なんて知らない。だけど奈央が我慢してた事は分かる。奈央は麗華ちゃんの家が厳しいって知ってあまり誘えなかったって言ってた。それでも誘ってた。麗華ちゃんと遊びたかったんだよ!奈央だって寂しかったのに、それでも麗華ちゃんの事優先して考えてたんだよ!』
奈央「…もうええよ」
友達にこんな事を言われるのは、凄く傷つくと思う。
『赤司のことだってそうだよ。赤司が好きなのは分かった。あたしが気に入らない事も。だけど、好きなら何回だってぶつかればいいだろ!気持ちぶつけてみればいいだろ!あたしが邪魔なら、押し出してでも近付けよ!!』
麗華「そ、それが出来たら苦労せぇへん!それにアンタがおったせいで出来へんのやろ!?」
『だからってやっていい事と悪い事の区別くらいつくだろ!!!麗華ちゃんの盗撮行為で赤司がどんだけ疲労したと思ってる!赤司は慣れてるって言いながら、誰にも言わず、やつれ、1人で抱え込んでたんだぞ!?好きなら苦しめちゃダメでしょ!?』
「…」
麗華「な、何様なんアンタ!赤司君の何が分かるって言うん!?」
『分からないよ。だけど苦しんでたのは分かった。それなのにあたしの心配してくれたよ。結局麗華ちゃんは赤司の心労を倍にした事になる』
麗華「そ、その自意識過剰がムカつく言うてんねや!心配してもらって当たり前って思ってるんやないん!?」
『そうかもね。だけどあたしはそれくらい赤司との関係を作ったと思うし、それは変わらない。あと、ムカつくって言う事で大事な事思い出したわ』