第2章 bad end *the opening
「あれぇ? 言えないようなことしてたのかなぁ」
「…十四松くん、そろそろ私帰るね!」
「えっ!もう帰っちゃうの?」
くっ…そんな寂しそうな顔されても…
なんとか誘惑を断ち切る。
「ごめんね、また来るから!」
ちゅ。
「っ?! 凛ちゃんっ!?」
「えへへ、またね」
口を押さえて赤くなる彼のなんと可愛いことか。
「やるようになったじゃん、凛」
「まだ、ニヤニヤしてるし。 うるさいでーす」
壁に寄りかかるおそ松くんの隣をすり抜けて廊下へ出る。
「あれ、帰るの?」
突然横から声がかけられた。
「っ?!」
驚きすぎて声が出なかった。
振り返ればにこにこと笑ったトド松の姿が。
「う、うん。お邪魔しました…」
なんとか返事をしたが、何か違和感。
うーん…なんだろう…
そこまで考えて、ようやく思い立った。
…不気味なくらい笑ってる。笑顔が全く崩れないのだ。