第5章 *the fourth would
午前を終えて、社内でお昼を食べる。
いつも、一松が作ってくれるお弁当。
最近は失敗もなくなって、私の数少ない楽しみのひとつだ。
「…ごちそうさまでした」
食事を終えたちょうどその時、中村が立ち上がるのが見えた。
手伝うって言っちゃったしな…
「中村!朝話してた書類の件だけど…」
結構大きな声で言ったはずだったが、聞こえなかったのか中村は給湯室に入っていってしまった。
仕方なく立ち上がる。
「ねぇ、中村?」
後ろ姿に声をかけると彼はびくりと少し大袈裟な反応を見せた。
「…あー、っと…どした?」
「いや、どうしたはこちらのセリフなんだけど…まぁ、いいや。朝話してた件だけど、私これから少し時間開くから今ならできるよ」
「お、おう。ありがとう」
じゃあ、空いてる会議室で、と言い残して彼は少し焦った風に去った。
そんなに驚いたんだろうか…?