第2章 bad end *the opening
「んむぅ…ん!」
トド松くんの行動はキスだけにとどまらなかった。
胸や首筋に触れ、私も恐怖から動けずされるがままだった。
ふっとトド松くんの力が緩む。
動かない私にもう抵抗の意志はないと思ったのか。
…今しかない。逃げるなら今だ。
トド松くんを突き飛ばして、逃げるんだ。
できる限りの全速力で。
恐怖に竦む体を叱咤する。
今っ!
力の限り、彼を突き飛ばす。
「っ!」
少し怯んだ隙に立ち上がる。
あとは走って逃げるだけ。
震える足で走った。
大丈夫。大丈夫。
怖いけど、大丈夫。