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誰も知らない。【気象系BL】

第10章 Fall to darkness… 


たまにはサプライズもいいかなって
連絡を入れずに彼女に会いに行った


驚くかな

喜んでくれるかな


そんな俺の淡い期待は
脆くも崩れ去った





「…何してんの」


「えっ…! 翔っ…なんで…!」




如何にも“情事の後です”と言わんばかりの
彼女と知らない男が
ベッドの上で裸で寄り添っていた


そのベッド
彼女のリクエストで
誕生日に俺が買ったの、忘れたの?

『これなら二人で寝ても翔が落ちることもないね』
って
笑って言ったこと、忘れた?




「…そーゆーことね」

「待って!…違うの、誤…!」
「別れよ、俺達」


何も知らない男は
ベッドの上で固まって一言も発さない



「じゃ。

あ、此処にある俺の荷物は全部捨てていいから」




涙も出なかった

家に帰る気にもなれずに
あてもなく車を走らせた



助手席に投げたスマホのバイブが鳴る

言い訳なんか聞きたくないんだよ

三度目の着信にいい加減イラついて
近くのコンビニに車を停めた



“二宮和也”



電話の相手はさっき別れたばかりの彼女じゃなくてニノだった
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