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第6章 あたたかい場所


「蝶、忘れ物は…弁当は!?」

『だから、持ちましたってば!』

「そ、そうだったな!…あ、お前今日私服なのかよ!?ちょっと待ってろ!!」

扉を作ってカルマ君と出ようとすれば、いつかの日のように慌ただしい中也さん。
あれ何?とカルマ君に聞かれ、知らない、ただの心配症と淡々と答える。

急いで中也さんは自分の部屋から戻ってきて、ベビーブルーのシースルーの上着を持ってきて、私の肩にふわりと羽織らせた。

「ああ…まあ確かに心配にもなるよね」

『え、と…?って、中也さんまた私の知らない内に服買って!?』

七分袖になっていてフードもついているパーカー型の上着にはレースや刺繍が細かく施されていて、いかにも私用に買ってきたと言わんばかりのデザインになっている。

見たこともないような服をいきなり着せられて中也さんの方を見上げれば、中也さんは私の肩に手を置いた。

「…流石に肩まで出してんのはな。外出るんなら羽織っとけ」

私から少し目を逸らして言う中也さんに首を傾げていれば、カルマ君が後で教えてあげるよと顔をニヤつかせていた。

「だからとりあえずそれちゃんと着て行ってあげなよ。じゃないと中也さん気が気でなくなっちゃって今日大変なことになっちゃうから」

「カルマ!!」

『うん?…中也さんありがとう、着ていきます』

ばっ、とカルマ君の方を向いた中也さんにまた不思議に思って見てみれば、分かってる分かってると爽やかに笑っているカルマ君がいた。

「いいか蝶、今日は絶対にその上着を脱ぐな、いいな」

『う、うん…?とりあえず行ってきますね?』

「椚ヶ丘の方でなら俺が見張っとくから安心してよ、流石に今日は上着いるわ確かに」

カルマ君と中也さんが謎のアイコンタクトを交わすのを横目に扉を開けて、校舎の屋根が見えるのを確認した。

「ああ、任せた…くれぐれも手出したりすんなよ、あと誰かが近寄りでもするようなら手前が撃退してやっても」

『カルマ君、行くよ。こうなると中也さんいつまで経っても終わらないから』
「あ、了解。んじゃまた夕方ね〜中也さん」

カルマ君の腕を引っ張って屋根の上に飛び降り、扉を消した。
強制的にもう椚ヶ丘の方に移動してしまったから中也さんの声は聞こえないけれど、大体想像がつく。

「大丈夫だか……ち、蝶!!?」

中也さん、私の事大好きな心配症の鬼だから。
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