第22章 云いたかったこと
私も中也さんも少しの間だけ任務を休んでから、万全になって…それから二人で残りを片付けていった。
そうこうしているうちにも日は進んでいって、今日は十二月二十三日。
「あーーーもう!!私も休みにする!!蝶ちゃんとデートに行くんだ!!!」
「残念ながらその蝶は俺と過ごすんだよ糞太宰」
「あ、蝶ちゃん!明日お家まで行くから、プレゼント楽しみに待っててね♡」
「って聞けや!!!」
プレゼントは返さないでって言ったのに。
愉快な人。
『…プレゼントって、この街だと人が持ってくるものなの?』
「「え?」」
『……ううん、なんでも』
この世界にはいなかったのか。
私はてっきり、いるのかとばかり思っていたのだけれど。
「人が…って……あ、ああ!それはね?私からのプレゼントだから私が持って行くんだよ!」
『?…!ああ、そういうこと…って、じゃあ太宰さんは見たことあるの!?』
「太宰だけじゃなくて俺でも見たことあるぜ、一回だけだが…」
口を揃えて二人が言う。
『中也さんも!?じゃ、じゃあほんとにいるの…?』
「「サンタクロース」」
でしょ?
だろ?
と、当然のようにして言う二人。
『わ、私見たことあるの!色んなの…』
関西弁喋るサンタさんとか、メラメラ燃えてるサンタさんとか、黒猫連れてるサンタさんとか…明らかに毒々しい見た目のサンタさんとか。
「「サンタさん何者なんだよ!!?」」
『えっ、じゃああれ全部ちがうの…?』
「「全部サンタさんで合ってるよ…!!」」
二人揃って顔を手で覆って何かに震える始末…仲いいなあこの二人。
『…!中也さんの家にもサンタさん来れる!?煙突も襖も甲板も無いよ!?』
「横浜のサンタは異能力でどこにでも入れるから大丈夫だぞ蝶、心配するな…サンタ協会の中でも最強のサンタだからな」
『!!寝る前にお手紙書かなきゃ…っ』
「手紙?どうしてだい?」
『お、お手紙書いて早く寝たらサンタさんがプレゼント持ってきてくれるって…あ、それと靴下置いとくんだって!そしたらね?』
枕もに靴下を置いて、早くに寝る。
そしたらサンタさんが現れて…
「「そしたら…?」」
『そしたら、サンタさんが入ってきたタイミングで勘が冴えてる頃合になるから、サンタさんにありがとうって言えるの!!』
「「サンタさん幸せものだよ…!!!!」」