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第22章 云いたかったこと


私を背中に乗せたまま任務を終えて、中也さんはそのまま私を連れて食堂に向かう。
流石に時間が時間なだけに私の生活習慣に悪影響があると聞かなくて、今日はそっちで済ませることになった。

『…中也さん……は…』

「?何?」

『……蝶、が…何聞いても、怒らない…?変なこととか、悪いこととか…』

「なんだよ、しおらしくなって…言わなかったか?俺がお前を怒るのは…お前が勝手に無茶しやがったときだよ。…そういうところ以外は、人格できすぎてて逆に心配なくらいだぞ?」

そういう話じゃなかった気が…

『…なんで悪いこと聞いても怒らないの?』

「俺にとっては悪くもなんともない事だからだよ、お前の言う悪いことなんざ」

『じゃあ……なんで、最近お仕事いっぱいしてるの…?…紅葉さんに聞いたら、中也さんの楽しみのためだって…言われたけど…言われた、けど…』

中也さんの楽しみのためなのに、それを楽しみにさせまいとさせているような気がする。
聞かない方が、多分この人も嬉しいし。

しかしチラリと顔色を伺うと、そこには私の予想とは裏腹に、心底嬉しそうな微笑みを見せる中也さんしかいなかった。

『…?な、なんで笑って…わ、私が聞いたら楽しみじゃなくなっちゃうんじゃ…っ』

「ん?ああ…いや……微笑ましいなと思ってな…それに、聞かれたところで楽しみだよ。ただ、お前に心配かけたくなかっただけなんだが…バレてたか」

『え、っと…?』

「…今月と…それに、年末年始と、ゆっくり休みでもとろうと思ってな」

話された意図に目を丸くする。

『?なんでそんな日にわざわざ…何かありましたっけ…』

「あるだろ?クリスマスと正月。今年からはお前が一緒にいてくれるんだ…蝶のおかげで、生まれて初めて楽しみなんだよ。こういうのが」

『私がいることとなんの関係があ「じゃあ俺と過ごし放題の冬休みはいらねえのか?」…!…べ、つに……』

「遠慮してんのバレバレだっつの、素直んなれ…それでまたあいつと駆け落ちなんかされるとたまったもんじゃねえしな」

あっ、根に持ってるこの人。
意外とその辺根に持つタイプだった…まあ、嫌いじゃないけれど。

『中也さんは蝶と駆け落ちしたい?』

「あ?あー、そうだな………はあ!!?いや、何から駆け落ちするんだよ!!?…いや、まあいざって時にはそれくらいどうってことないけどよ…」
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