第22章 云いたかったこと
「へえ、それは便利なものだね…って蝶ちゃん?もしかしなくても物凄く気に入っちゃってる?値段確認してるかな?分かるよね?ねえ?」
『?値段なんてどうでもいい…カードあるからこれで』
「「「!!?」」」
まさかこんな子供が懐からカードを取り出すとは思いもしなかったのだろうか。
「…蝶ちゃん、そのカード…もしかして?」
『中也さんが貯金しかさせてくれないから…』
「こ、っ…これはこれはお客様、こちらの品でよろしいでしょうか!!?」
『?大丈夫ですけど……ああ、あっちのあれも一つ』
指さしたもう一つの品も包んでもらう。
お礼も兼ねて。
「ま、まさかポートマフィアの…それもブラックをお持ちの方だとは…」
「……蝶ちゃん、君あの首領からえらく気に入られてるようだね?あの階級のカード…幹部クラスくらいしか持たないよ、普通」
『太宰さんも持ってるくせに』
「!…よく出来た子だね、本当」
包まれた箱を別々に袋に入れてもらい、それを受け取って退店する。
中也さんへのプレゼントの方は先に家の中…それも、私が中也さんに無理矢理押し付けられた私の部屋……の、更に棚の奥にしまい込む。
扉の能力くらいなら容易いものだ。
「あれ?そっちは隠さなくていいのかい?」
太宰さんに指さされたのは、もう一つの…すこし大きい方の箱に入ったプレゼント。
『うん、もう見られちゃってるからいいかなって』
「見られてるって…」
『ん…はい、太宰さんに』
「え゛っ」
『…………嫌…?』
「い、いや…そうじゃないんだけど……驚きすぎ、て?…というか、私蝶ちゃんに何もしてないのにこんな『最近…今日も特に、相手してくれるから。太宰さんは…その……いい人、だから』!…じゃあ、クリスマスにお礼はさせてね?」
お礼、なんて言われて首を横に振る。
するとクスクス笑いながらどうしてだい?なんて言って。
『わ、私が返しきれない分を返していってるのに…お礼とかされたら、意味が…』
「いいのだよ、今日だって蝶ちゃんは、私の嫌がらせに付き合ってくれてるんだから」
物は言いようとはこのことか。
『お礼、とかしなくていいです。私のやつがお礼、なのに』
「………そういえば、何買ってくれてたの?私、見れてなかったのだよね」
『!…か、帰ってから見て下さ「!!!見つけた…ッ!!!!」ふえ…ッ?』