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第22章 云いたかったこと


拠点に戻り、とりあえずは私が戻ったことを心配している森さんの元へ伝えに行く。

医務室に入るとそこにいたのは太宰さんと森さん……と、女の子…?

「これだからチュウヤはダメなのよ!乙女心が分からないにも程があるわ!それに頬を叩いたんですって!?」

「ぐっ、…!!?」

隣でわかりやすくグサリと胸に言葉の矢が刺さる中也さん。
…誰だろう、あの金髪の子。

今の私よりも年上で…十才か少し上くらいか。
それくらいの年齢の、赤いドレスを着た可愛らしい子。
あの子も、ポートマフィアの構成員…?

「エリスちゃん、だからそれは中也君の愛が深すぎて「リンタロウは黙ってて!泣かせる方が悪いのよ!」ご最もだよエリスちゃ…中也君!?」

「あ、戻ってきたんだ蛞蝓。そして麗しの蝶ちゃん!!!おかえり!!!そんな奴放っておいて私の隣へさぁどうぞ…♪」

「!チュウヤが戻ってきた…?女の子に手上げて泣かせたチュウヤが?」

こちらに向かってずんずんと歩いてくる女の子…もとい、エリスちゃん。
何やら皆と面識があるようで、少し親しげな雰囲気を漂わせている。

「こ、これはエリス嬢…ッ…」

「ちゃんと連れて帰ってきたんでしょうね!?…って、あら…初めまして!私、エリスよ!よろしく、蝶♪」

『へ…っ?な、なんで私のこと…』

「皆知ってるし、私は前から何度も見てきてたから…まだ頬が赤いままよ?ちゃんと冷やしてる?」

『そ、そこはもう大丈…ッ、?』

スッ、と隣を抜けていく人。
今まで存在感があったそこには、空気がただ流れるだけで。

「すみませんエリス嬢、この通り…仲直りちゃんとしますから…」

帽子を片手に持って胸元で持ち、エリスちゃんとやらに向かって膝をつく。

どこか既視感のあるその行為に、何故だか胸がもやっとした。
…なんで?って、なんで思ったの?私。

『…太宰さん、あの……』

「ん?…ああ、エリス嬢のことかい?あの子のことは…森さんに聞くのが一番早いよ」

言われて森さんの方に向けて首を傾げると、困ったように笑いながら森さんが説明する。

「ん〜…まあ、蝶ちゃんならいっか。…あの子は僕の異能力…僕の大事なエリスちゃんだ」

『!異能力…』

召喚型…?
実は物凄くあの子が強い…とか?

なんて考えて見てみるはずなのに…何故か、視界に映る中也さんの姿から目を逸らせなかった。
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