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第18章 縁の時間


「今日感度良すぎねえか?」

『はぁん…ッ…ぁっ、あッ!!♡……ッや、さしけするからッ…らめって言った、のにぃ…っ』

「そんな蕩けた顔して言われてもな………俺は惚れた女にゃ優しくもなんだよ。たっぷり喘がせてぇし…なによりこの方が感じちまうらしいしな」

それ、私の事言ってるじゃない。
絶対わざとだ、わざとそんな事言って恥ずかしくさせて楽しんでるんだ。

涙目になりながらも羞恥に耐えていれば、中也の手が浴衣にかけられた。
それから両手で柔く撫でられ、下着をつけていない胸の頂がジンジンする。

熱いのに、ちょっと痛くて…なのに触れてもらえないのが焦れったい。

「…直接触っていいか……恥ずかしいなら目、瞑ってていいから」

『はッ、……ッは………っ!』

私が目を閉じたのを皮切りに、襟に手をかけた中也。
しかしそれに、反射的に中也の手を止めた。

「………どうした…怖い?」

『!!違ッ…「無理しなくていい、思ってる事があるならちゃんと言ってくれて構わねえから」…ッ……和、服脱がされるの…ちょっ…と苦手』

「…分かった。…じゃ、自分で脱げる?」

『……あん、まり見ないで…下さ……「じゃあ目ぇ瞑ってる」!』

本当に言った通りに、目を瞑る中也。
座ったまま向かい合わせになっているから、月明かりに照らされて、真剣な表情のまま目を閉じた綺麗な中也の顔が見える。

本当に閉じてる…なんか、今日の中也はいつにも増して優しいような…。

自分で脱ぐというのもまあ少し抵抗があるもので…簡単に言うと、男の人の目の前で和服を脱ぐという行為に少し嫌な思い出があるだけだ。

未遂で終わりはしたものの、この人のたまに使う“襲われる”という行為に恐らく匹敵するであろう状況に追い込まれた事もあり…それもまた自分が死にかけた状況でもあったため、普通にされるのよりま何倍も何倍も怖いのだ。

キュ、と襟を掴んだまま脱げずに身体が震えてくる。
中也が待ってくれてるのに…なんで私は…。

なんて、動けなくなっている時だった。
中也の手が動いて、見ていないのに、私の頭をまたポン、と撫でたのだ。

『…へ……っ?な、んで…』

「……無理しなくていい。今日じゃなくとも、いつでもしてやれるから…怖ぇなら今じゃなくてもいいから」

情けなくなった。
ここまで気を遣わせて、何をやっているんだ自分は。
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