第18章 縁の時間
E組の出し物は割とスムーズに決定し、細かいところまで色々と話が決まっていった。
流石というか、合理的かつ的確であるというか…嫌いじゃない進め方だ、こういうところはやはり尊敬する。
「というわけでぇ!!是非とも白石さんにこのメイド服を…」
「「「誰がさせるかこのエロダコ!!!!」」」
『?なんでエロダコ……っ?中也…?』
確かにエロダコだとは思いもするが、尊敬を…
とりあえず蝶の両耳を手で塞いだ。
するとファインプレーでカルマが隣の席から蝶の視界を遮断する。
「にゅやああ!?エロダコとは何ですかエロダコとは!?こんなメイドさんに運ばれてきて甘〜いセリフの一つや二つでも言われれば男なんか寄って集って集まってくるんですよこの世の中!!」
「本音が出た!!」
「クズだな!?」
「い、いやでも白石だぞ……確かにメイドは需要が…」
尊敬…尊敬?
そんなものはとうの昔に忘れちまったみてえだ、すまねえな担任…否、エロダコ。
「ねえ岡島君!?ほら、同じ事を思った子も多いでしょう!?それなら先生の意見も…」
「意見も…なんだって?」
ギロリと睨みをきかせて、口角を上げて担任に問う。
「保護者のお出ましだぞ!中原さんにどう言い訳できるんだよ!!」
「こりゃあ勝ち目ねえわ…」
「可哀想に…ただ欲望に忠実になっただけなのにねぇ?こりゃあいい作品が書けそうよ」
「哀れ、南無」
「酷いいじめだあああ!!!!」
泣きわめく担任の元から異能でメイド服とやらを奪い取り、パッケージに書かれた中身を確認する。
「ほお?胸元の露出がかなり目立つ上にスカートが膝よりかなり上だなぁ?それにサイズ的にも蝶には恐らくピッタリな上に良く似合う」
「あれ、褒めた!?褒めたよこの人!?」
「うるせえな、蝶は何着ても似合うんだよ仕方ねえだろ!!」
開き直った!!!と一斉にまた突っ込まれるも無視だ無視。
「ね!?似合うでしょう!?だから少しだけ協力をと…」
「……けどなあ担任?悪いがうちの蝶は俺専用なわけなんだよ…いいか?教師の癖して不埒なことを考えた挙句に生徒でエロい事考えてやがった奴には罰として減給くれえあってもいいだろうが…それじゃああまりにも可哀想だから、代わりにこの衣装で我慢してやるよ」
「「「持って帰るんかい!!!!」」」
「理不尽だああああ…!!!」