第6章 オレンジ
tukisima side
白い部屋で、約束をしたことがあった。
『世界の舞台に連れてってやるから』
『待ってるよ。でもまずは全国制覇、デショ』
まだ、付き合って一年も経たない頃に、子供じみた約束をした。あの日誰も満たされないよりも、二人が望む最後であろうと、怯えてた僕に言ってくれた様に。
だから、君の旅立ちは笑顔って、決めた。
君が僕の前から居なくなる事を許しても、耐え抜くだけでも何も変わらない。
『僕は束縛すんのは嫌だからね。自由にやりなよ』
傷付けたくないっていう弱い思いが、大きくなって、一つの感情を生み出した。
嗚呼、愛おしい__