第6章 オレンジ
nanasi side
二人が別れて一年の月日がながれた。
愛を交じ合わせて、互いを許しあったのも、もう三年も前のことだった。
『それじゃあな、月島』
『うん。じゃあね、影山』
桜の咲く季節に、二人は別れた。
「またね」はけして言わなかった。
また、なんて来るわけも無かったから。例えきても、それは何年後、下手したら何十年も後の話で。だから二人で話し合った。
月島は、束縛はしたくない。自由にやって欲しいと、素直な気持ちを述べた。
影山も、お前が前に進めないのは嫌だと、言った。
だから、二人は別れる事にした。