第6章 オレンジ
真っ直ぐ僕の目を見て、好きだ、なんて言ってきた。
そんな真っ直ぐ目で僕を見ないで欲しい。
『なあ、月島。俺は本当にお前が好きだ。信じらんねぇんだろうけど』
信じられないよ
君が僕を好きだなんて、信じられるわけがないだろ。僕はずっと君を見てたんだ、そんな素振り見せなかった癖に…信じられるわけがない。
『月島、返事聞かせてくれ』
嗚呼本当、君は勝手だ。自己チューの王様だよ。
僕の気も知らないで…。
心を、揺さぶってくる。
『僕は…僕だって__』
君が、好きだよ。
最初君を見たあの日から、ずっと好きだったんだ。
『俺は、お前の為ならなんだって出来る。バレーは…やめらんねぇ、けど…』
『君は、プロになるんデショ』
『嗚呼、当たり前だ』
『なら、さっきの言葉は取り消すべきだよ。世界に出たら、きっと後悔する』
『しねぇよ』
『先の事なんか分からないデショ。君に似合う人なんてこれからいくらでも出てくる』
『例え出てきても、お前の代わりになるヤツなんていねぇよ。絶対後悔はしないし、させねぇ』
『っ……』
嗚呼もう、やめて欲しい
代わりなんてないって、特別だって言われてるみたいで、先の事なんか分からないのに、影山が言うと、本当に後悔しない気がしてくる。
『なあ月島。俺は本当にお前が好きだ。月島と、付き合いたい』
ド直球の影山らしい言葉。
もう、どうでも良くなってくる。君となら、どんなことも大丈夫だって、思える。
『僕も、、好き…』