第2章 センテッドゼウニウム
(風華、お前は、強いんだ。俺よりもずっと……)
彼女がいつも練習している所に行く。
一人で壁打ちしている彼女。
そんな彼女を後ろから見ては、気づかれ二人で試合をする。
だが、今日は違った。
誰かいる。
「はっ!」
汗一つかかずにボールを打つ。
「本当、お前一人でやってて、飽きねーよな」
「邪魔しに来たんなら、帰って」
「いや、用があってきたんだけど」
「え、そうなの?」
ボールを打つのを辞止めて、その人の所へ行く。
バックを持ち、俺に気がついた。
「あ、跡部。また、そこにいたの〜」
「ん、誰?」
「跡部景吾。私と同じ日本人。で、同じく除け者にされてる。跡部、これは、私の兄の風斗」
「これって…」
(兄貴か)
心の何処かで安心していた。
「で、用って何、風兄」
「あぁ、そうだった」
っと言って二人で話し始めた。
「…」
(いい気がしない)
「っていう事だ。用は、それだけ。じゃあ、練習頑張れよ~」
と言って何処かに行った。
「マジ面倒」
ぼそっと風華は、呟いた。
(最近知ったのは、風華が超がつくほどの毒舌と腹黒さ)
何かかんか、ちょっかいを出してくる奴をものともせず突っぱねる。
(そして、一人でいることを普通にしている)