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【テニプリ】純白のアネモネ

第2章 センテッドゼウニウム



〈はぁ、さっさと退けって言ってんだよ〉

さっきとは違う、怒りのこもった言葉。

笑っていたイギリス人は、ビクッと肩を揺らした。

〈んだよ、こいつ。……おい、あんたテニス出来んのか〉

〈俺達とテニス、しょうぜ?〉

〈別にいいけど〉

不機嫌に言った彼女は、コート内に入る。

そして、試合が始まる。

あっという間だった。

1点も取られる事はなく、彼女のストレート勝ち。

〈クソ、行くぞ〉

そう言っていなくなった。

残ったのは、俺と彼女だけ。

「……」

「いや、なんか喋ってよ」

「あ、あぁ」

「そんだけ…まぁ、いいや」

んーっと、背伸びする彼女。

「あ、また名乗ってなかったね。私は、蒼野風華。9歳」

「跡部景吾、10歳」

「あら、年上だったとわ…」

じっと跡部を見る。

「にしても、跡部君。顔、綺麗」

「ん、跡部でいい」

「ん。否定は、しないんだね」

「あぁ」

「笑」

こうして風華と出会った。

風華も俺と同じく一人でテニスをしていた。

一人でずっと――。

そして、風華と出会って、一週間経った。

風華の事を知ったのもこの日だったので

〈おい、あの女の日本人。アメリカのJr大会を最年少で優勝したらしいぞ〉

〈あぁ、俺も聞いた事ある。そう言や、去年のドイツのJr大会でも優勝してたらしいぞ〉

〈まじかよ〉
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