第3章 約束
「ねぇねぇ、赤司君〜。今度の夏祭り、私と一緒に行かない?」
征ちゃんと私が一緒に帰っていたら、例の女の子……かりんちゃんがやって来た。征ちゃんの腕にそっと手を添えて。
「夏祭り?……あぁ、あの神社でやる祭りか。……ゆりなはどうする?」
征ちゃんは、そっとかりんちゃんの手を解いて、私に尋ねた。
「ええっと……まだわからないかな。でも、私が行ったら、奇数になっちゃうし。…」
「別に、奇数でもいい。僕は、ゆりなと一緒行きたい。」
征ちゃんがそう言った瞬間、一瞬だけど、かりんちゃんの目が冷たくなった。私は思わずやってしまったと思った。
「あっ……じゃあさぁー、同じクラスの冬馬君に来てもらお‼︎そしたら、男女でいい人数じゃん。…」
かりんちゃんが、そう言った。
冬馬君は、みんなに明るく優しくて、男女にとても人気のモテる男の子だ。
「じゃあ、かりんちゃんが言ってるようにしよ。…」
私はそう言わざるおえなかった。
「じゃあ、ゆりなちゃんが冬馬君を誘ってね。」
かりんちゃんはそう言って、帰っていった。
「なんで、僕がゆりなを誘ったのに、いいって言ってくれなかったの?」
征ちゃんはとても不思議そうだった。
「ごめんね、ちょっといろいろとあって」
私は、胸の痛みを不思議に思いながらもそう言った。