第2章 出会い
「ほら、ゆりな、この子がお父さんの親友の息子の赤司征十郎君だよ。挨拶しなさい。」
そう言って、父は私をその男の子の前に出した。赤い髪の毛で、とても整った顔立ちをした素敵な男の子だった。
「初めまして。僕は赤司征十郎。君は?」
「わ……私は、池川ゆりな……。よろしくね。赤司君」
「……下の名前で呼んでくれていいよ。そっちの方がいい。」
「本当に⁉︎ありがとう‼︎」
人見知りの私は、精一杯の笑顔でそう言った。
★征十郎サイド★
父の紹介で、父の親友であるさんの子どもに会った。とても可愛らしい女の子だった。
(この子と仲良くなりたい。友達になりたい。)
もともと、友達という存在がいなかった僕は、心のそこからそう思った。